大和思想 五章 常に「平常心」を保っている
※ここで言う「平常心」とは、「『感情』が一切動いていないときの静かな心」「何もしていないときの落ち着いた心」「気負いも、思い入れも、執着もない平静な心」という意味です。
「大和思想を実践している人」は、常に「平常心」を保っています。
人間には、「喜び」「怒り」「悲しみ」「楽しみ」「浮かれ」「焦り」「嫉妬」「羞恥」「緊張」「驚き」「恐怖」「興奮」等の「感情」があります。
そして、この「感情」は、自分の「意志」とは関係なく勝手に湧いてきます。
「『感情』が湧いている状態(『感情』が動いている状態)」は「『平常心』を失っている状態」ですが、人間は「平常心」を失うと、正しい「判断」や「行動」ができなくなります。
そして、そのために「間違い」や「失敗」をしてしまいます。
例えば、スポーツにおいて、得点を決めた後に「喜び」の「感情」を強く持ち過ぎると(平常心を失うと)、「集中力」が切れて、その隙に相手に得点されることがあります。
また、相手に理不尽なことを言われたからといって、「怒り」の「感情」を強く持ち過ぎると(平常心を失うと)、「言いたいこと」が、うまく言えなくなったり、「言うべきでないこと」を言ってしまったり、「適切な対応をすること」ができなくなったりします。
また、「嫌なこと」があったからといって、あまりにも「悲しんでいる」と(平常心を失っていると)、「ポジティブに考えること」ができなくなったり、「正しい判断」ができなくなったりして、「人生をいい方向へ向かわせること」ができなくなります。
また、「楽しいこと」があるときに、調子に乗って、我を忘れて「楽しんでいる」と(平常心を失っていると)、節度を失い、「間違い」や「失敗」をしてしまいます。
また、褒められたり、おだてられたりして「浮かれ」ていると(平常心を失っていると)、相手に騙されやすくなります。
また、「焦って」いたり、「せかせか」していたりすると(平常心を失っていると)、「じっくり考えること」や「じっくり取り組むこと」ができなくなるので、「間違い」や「失敗」が増えてしまいます。
また、「嫉妬心」を強く持つと(平常心を失うと)、「自分をコントロールすること」ができなくなり、「信用を失う行動」や「大切な『人間関係』を壊すような行動」をしてしまいます。
また、「恥ずかしい」と強く思ったり、ひどく「緊張」したりすると(平常心を失うと)、頭の中が真っ白になり、いつもどおりの「行動」や「立ち居振る舞い」ができなくなります。
また、「驚いた」とき(平常心を失ったとき)には、思わず手にしているものを落としたり、さっきまで考えていたことを忘れたりしてしまいます。
また、「恐怖心」を強く持つと(平常心を失うと)、「考えるべきこと」が考えられなくなったり、「適切な行動」がとれなくなったりします。
また、「絶対にいい結果を出すんだ!!」と「意気込み」過ぎていると(平常心を失っていると)、気持ちが空回りして、かえって「いい結果を出すこと」ができなくなってしまいます。
このように、人間は「平常心」を失うと、正しい「判断」や「行動」ができなくなるのです。
そして、そのために「間違い」や「失敗」をしてしまうのです。
さて、このように、人間は「平常心」を失うと「間違い」や「失敗」をしてしまうので、基本的には、「常に『平常心』を保っている」のが望ましいと言えます。
特に、何らかの「目的」を実現させるためには、「その『目的』を実現させるために必要なこと」は確実に行なう必要があるので、「目的」を実現させるときには、「常に『平常心』を保っている」必要があります。
ですから、「大和思想を実践する」場合も、常に「平常心」を保って、「普段自分が関わっている『全体』をまとめる」必要があります。
「『全体をまとめる』作業」をしているときに「問題」が起きたからといって、「動揺」したり、「冷静さ」を失ったりしたら(平常心を失ったら)、「言うべきこと」が言えなくなったり、「言うべきでないこと」を言ってしまったり、「やるべきこと」がやれなくなったり、「やるべきでないこと」をやってしまったりします。
また、思いどおりに「作業」がはかどらないからといって、「イライラ」したり、「せかせか」したりしていたら(平常心を失っていたら)、「正しい判断」ができなくなります。
また、「絶対に『全体』をまとめるんだ!!」と「意気込み」過ぎていたら(平常心を失っていたら)、「気持ち」が空回りして、かえって「全体をまとめること」ができなくなります。
ですから、「大和思想を実践する」場合も、常に「平常心」を保って、「普段自分が関わっている『全体』をまとめる」必要があるのです。
世の中には、「『平常心』を失うこと(『感情』が動くこと)」を普通のことだと考えて、「平常心」を失っても気にしない人がいます。
ですが、「平常心」を失うと、正常な「判断」や「行動」ができなくなるので、「間違い」や「失敗」は確実に増えるのです。
また、「常に『平常心』を保っている」のは簡単ではありませんが、常に意識し、努力していれば、誰でも、少なからず、「『平常心』を保つこと」ができるようになるのです。
ですから、「大和思想を実践している人」は、「常に、意識して『平常心』を保っている」のです。
「大和思想を実践している人」は、「普段自分が関わっている『全体』をまとめる」ために、「常に『平常心』を保っている」のです。
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