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大和思想 一章  序文

大和思想 一章  序文

 
 それでは皆さん、これから、一章に入りたいと思います。

 一章では、「『大和思想』とは、どのような『思想』か」を説明したいと思います。


 まず、序文では、「大和思想(やまとしそう)」という言葉の意味について説明したいと思います。



「大和思想(やまとしそう)」の「大和(やまと)」とは、「大きい和(わ)」という意味です。

 そして、この「和」とは、「調和」「平和」「なごみ」「やわら」というような、一般の日本人が使っている「和」と同じ意味です。

「和」という言葉は、日本では古くから使われていて、日本最古の憲法である、聖徳太子の十七条憲法の第一条で使われているのは有名です。


 日本最古の憲法の第一条には、次のように書かれています。


「一にいう。和を大切にし、いさかいをせぬようにせよ。人にはそれぞれ仲間があるが、全くよく悟ったものは少ない。それ故、君主や父にしたがわず、また隣人と仲違いしたりする。けれども上下のものが、睦まじく論じあえば、おのずから道理が通じ合い、どんなことでも成就するだろう」


 このように、「和」という言葉は、日本では古くから使われていて、その精神は、今でも、日本人の「気質」や「文化」を特徴づけるものとなっているのです。


 本書で言う「和」とは、このような意味です。

 そして、「大和(やまと)」とは、この「和(わ)」の大きいバージョン。「大きい和(わ)」という意味です。


 次に、本書で使っている「思想」の意味について説明します。


 本書で使っている「思想」とは、

「その人の『生き方』や『行動』を決定付けている考え」

「その人が『生き方』や『行動』を決定するときに『判断の基準』にしている考え」

という意味です。


「思想」をこのようなものとして捉えると、世の中には様々な「思想」があることが分かります。

 また、世の中の全ての人が、何らかの「思想」を持ち、その「思想」に則った「生き方」をしていることも分かります。

 また、「生き方」「話し方」「人との接し方」「立ち居振る舞い」等、その人の「行動」を注意深く見ていれば、「その人が持っている『思想』の断片」を見ることができます。


 本書では、このようなものとして「思想」という言葉を使っています。

「大和思想」は、この「思想」と「大和」を合わせた言葉です。

 つまり、「大和思想」とは、単純に言うと、「大きい『和』の思想」「『調和』を重んじる思想」「『和の精神』に則った思想」だと言えるのです。


 ところで、皆さん、「大和思想」は「宗教」ではありません。「大和思想」は「理論体系」です。

「世の中の全ての人と共に『幸福』になること」を「目的」に設定し、そこから、逆算して導きだされた「理論体系」なのです。

 ですから、世の中の全ての人が「大和思想」を持って(「大和思想の理論」に則って)生きれば、世の中の全ての人が「幸福」になれるのです。


 これから、この「大和思想」について説明していきます。


 これから説明することの中には、「聞き慣れない概念」や「意識したことがない観点」等、理解しづらい部分があるかもしれませんが、本書で説明していることは、それほど複雑ではないので、分かりづらくても、じっくり読めば、誰でも理解できます。

 ですから、分かりづらいところがあっても、繰り返し読むなどして、じっくり読み進めてください。

 そして、「『大和思想』とは、どのような『思想』か」を、しっかり理解してください。


続きを読む ⇒ 「思想」とは

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