大和思想 二章 まとめ
それでは、ここで、二章の「まとめ」をしたいと思います。
二章では、「大和思想が『共存共栄の世の中』を『理想の世の中』とする理由」について説明しました。
「大和思想が『共存共栄の世の中』を『理想の世の中』とする理由」は、「世の中が『共存共栄の世の中』であれば、世の中の全ての人が、常に『幸福』を感じることができるから」です。
一章では、このような説明をしましたが、これ以外にも、まだ理由があります。
近年、「生態学」等の研究から、「人間は『自然』と共存して生きていく必要があること」が分かってきました。
人間は、「食料」を「自然界」から得ていますし、作物を栽培するためには、「様々な生物」の働きが必要になります。
また、人間は、木材等の「原材料」、「エネルギー資源」、「きれいな水と空気」を「自然界」から得ています。
また、「自然」を破壊し過ぎると、場合によっては、地球規模での環境の変化が起こり、人間は生きることができなくなります。
また、むやみやたらと生き物を殺すのは、「倫理的」に間違っています。
これらのことから分かるように、人間が生きていくため、人類を存続させるためには、「『自然』と共存して生きていく」必要がありますし、また、そうするべきなのです。
「大和思想」は、このような理由からも、「共存共栄の世の中」を「理想の世の中」としているのです。
また、「人間が『幸福』になるためには、『多様な人間』と共存して生きていく必要があること」が分かってきました。
もし、世の中に、同じような「考え」の人しかいなかったら、人間は「幅の広い活動をすること」「様々な出来事に対処すること」「『大きな目的』を実現させること」ができないので、「人間社会を『いい状態』で存続させること」ができません。
また、人間が「幸福」を感じて生きていくためには、日々の生活の中に、「楽しいと思えるもの」や「楽しいと思える出来事」がたくさんあった方がいいですが、それらをたくさん存在させるためには、「多様な『感性』の人」「多様な『考え』の人」が必要になります。
また、「『多様な人間』が共存していない」ということは、「『多様な人間』が『対立』している」ということなので、いつまでも「多様な人間」が共存しなかったら、いつまでも、世の中から「対立」はなくなりません。
そして、いつまでも「対立」がなくならなければ、人間は、いつまでも「幸福」になれません。
これらのことから分かるように、「人間が『幸福』になるためには、『多様な人間』と共存して生きていく」必要があるのです。
「大和思想」は、このような理由からも、「共存共栄の世の中」を「理想の世の中」としているのです。
また、人類の歴史の流れから、「現在が、『経済や社会を発展させることを優先させる時代』から『共存共栄の世の中を維持することを優先させる時代』へと『方向転換』すべき、『人類の転換期』にあること」が分かっています。
現在は、「科学技術」の目覚ましい発達によって「生産性」が上がり、「需要量」よりも「供給量」の方が多くなりました。
つまり、「『世の中の全ての人に生活物資を行き渡らせること』ができる時代」「『共存共栄の世の中を実現させること』ができる時代」になりました。
また、その一方で、「科学技術」は、それを無計画に発展させ、利用したら、地球を破壊し、人類を滅亡させてしまうほどに発達してしまいました。
現在の「科学技術」は、「『共存共栄の世の中を実現させること』ができるほど」に、また、「無計画に発展させ、利用することができないほど」に発達したのです。
つまり、現在の人類は、「『経済や社会を発展させることを優先させる時代』から『共存共栄の世の中を維持することを優先させる時代』へと『方向転換』すべき状況」に立たされたのです。
ですから、「大和思想」は、このような理由からも、「共存共栄の世の中」を「理想の世の中」としているのです。
このように、人間が生きていくためには「『自然』と共存して生きていく」必要がありますし、人間が「幸福」になるためには「『多様な人間』と共存して生きていく」必要がありますし、現在の人類は、「『経済や社会を発展させること』を優先させる時代」から「『共存共栄の世の中を維持すること』を優先させる時代」へと「方向転換」すべき、「人類の転換期」にあるのです。
「大和思想」は、これらの理由からも、「共存共栄の世の中」を「理想の世の中」としているのです。
「大和思想が『共存共栄の世の中』を『理想の世の中』とする理由」は、単に、「それが理想的だから」ではありません。
「『世の中の全ての人が幸福になる』ために必要だから」「本気で取り組めば実現可能だから」「リスクを考えると、実現させる必要があるから」なのです。
「『世の中の全ての人が幸福になる』ために必要」であり、「本気で取り組めば実現可能」であり、「リスクを考えると、実現させる必要がある」にもかかわらず、「共存共栄の世の中」を「理想の世の中」としないとしたら、私達は、一体、どのような世の中を「理想の世の中」とするのでしょう?
「『世の中の全ての人が幸福になる』ために必要」であり、「本気で取り組めば実現可能」であり、「リスクを考えると、実現させる必要がある」のですから、私達は、「共存共栄の世の中」を「理想の世の中」とするべきなのです。
そして、今すぐにでも、「共存共栄の世の中」を実現させるべきなのです。
二章では、このことをしっかり理解してほしいと思います。
「大和思想が『共存共栄の世の中』を『理想の世の中』とする理由」をしっかり理解することができれば、どのような「問題」や「困難」に直面しても、それを乗り越え、「普段自分が関わっている『全体』をまとめること(『大和思想』を実践すること)」ができるのです。
続きを読む ⇒ 大和思想 三章 「全体の構造」を理解する 序文