大和思想 三章 「全体」は「システム」によって成り立っている
※「システム」という言葉を的確に表現するのは、とても難しいのですが、あえて表現すると、ここで言う「システム」とは、「『目的を実現させる』ための仕組み」という意味です。
また、「全体のシステム」とは、「『全体の目的を実現させる』ための仕組み」という意味です。
世の中には様々な「全体」がありますが、全ての「全体」は、「システム」によって成り立っています。
世の中の全ての「全体」には「目的」がありますが、「全体の目的」を実現させるためには、「全体を構成する全ての人」が、「『全体の目的を実現させるために必要となる一定の行動(行なうべきこと)』を行ない続ける」必要があります。
例えば、「家族全員で協力して生きていく」という「家族の目的」を実現させるためには、「家族全員」が、「『自分勝手な行動』はしない」「最低限は『気遣い』をする」「『自分の役割』をしっかり果たす」等の、「『その家族の目的を実現させるために必要となる一定の行動(行なうべきこと)』を行ない続ける」必要があります。
また、「有意義な時間を過ごす」「自分にはない『知識』や『感性』に触れる」等の「友人の集まりの目的」を実現させるためには、「友人の集まりを構成する全ての人」が、「『協調性』を持って接する」「『ウソ』をつかない」「『約束』を守る」等の、「『その友人の集まりの目的を実現させるために必要となる一定の行動(行なうべきこと)』を行ない続ける」必要があります。
また、「学校」「会社」「国家」、その他、どのような「全体」においても、「その全体の目的」を実現させるためには、「その全体を構成する全ての人」が、「『その全体の目的を実現させるために必要となる一定の行動(行なうべきこと)』を行ない続ける」必要があります。
このように、「『全体の目的』を実現させるためには、全体を構成する全ての人が、『その全体の目的を実現させるために必要となる一定の行動(行なうべきこと)』を行ない続ける必要がある」のですが、これは、「『全体の目的』を実現させるためには、全体を構成する全ての人が、『その全体のシステム(その全体の目的を実現させるための仕組み)』に従って行動し続ける必要がある」ということです。
また、基本的に、「『全体の目的を実現させる』ための活動」は、全て「全体のシステム」に従って行なわれるので、「全体のシステム」が、「整合性」のある、「欠陥」のないものであれば、「全体の目的」を実現させることができますが、「整合性」のない、「欠陥」のあるものであったら、「全体の目的」を実現させることはできません。
つまり、「『全体の目的を実現させること』ができるかどうか」は、「全体のシステム」の「あり方」によって決まるのです。
このように、世の中の全ての「全体」には「目的」がありますが、「全体の目的」を実現させるためには、「全体を構成する全ての人」が「『全体のシステム』に従って行動し続ける」必要がありますし、「『全体の目的を実現させること』ができるかどうか」は、「全体のシステム」の「あり方」によって決まるのです。
ですから、これらのことから、「全体は『システム』によって成り立っている」と言えるのです。
さて、「システム(『目的を実現させる』ための仕組み)」とは、単純に言うと、「『こうすることによって、こうなる』『こうなることによって、そうなる』、そして『そうなることによって、目的が実現される』」というようなもので、例えば次のようなものがあります。
○家族の人間関係を一定の状態に保つためのシステム
「『定期的に家族全員で食事をしたり、旅行をしたりすることによって、家族全員のコミュニケーションを促す』、そして『家族全員のコミュニケーションが促されることによって、家族全員の人間関係が一定の状態に保たれる』」
○サービス業における、顧客を増やすためのシステム
「『店の宣伝をすることによって、客を店に呼び込む』『店に来た客に質の高いサービスを提供することによって、客が満足する』、そして『客が満足することによって、また店に来るようになる(顧客が増える)』」
○会社等における、理想的な人材を獲得するためのシステム
「『採用試験を行ない、理想的な人間を選ぶ』『選んだ人間をさらに面接し、自分の目で相手の能力や人間性を見抜く』、また『待遇を良くし、理想的な人材が満足できる環境をつくる』、そして『それらを行なうことによって、理想的な人材を獲得する』」
このような「『目的を実現させる』ための仕組み」が、ここで言う「システム」なのです。
また、この「システム」と「本質」は同じですが、「『全体の目的を実現させるため』に機能している」のが「全体のシステム」です。
「全体のシステム」は、ただの「システム」と比べると規模が大きく複雑です。
例えば、「会社のシステム」は、「生産システム」「業務の効率化をはかるための仕組み」「顧客を増やすためのシステム」「自社にふさわしい社員を採用するためのシステム」「社員を育てるためのシステム」等、いくつもの「システム(仕組み)」が互いに作用し合って、一つの大きな「会社のシステム」を形成しています。
また、「国家のシステム」は、「税の仕組み」「教育システム」「社会保険制度」「民意を政治に反映させるための仕組み」、法律等の「秩序を維持するための仕組み」、三権分立等の「権力を分散させるための仕組み」等、様々な「システム(仕組み)」が互いに作用し合って成り立っています。
また、「教育システム」は、さらに「一定水準以上の教員を採用するためのシステム」「適切な教材を提供するための仕組み」等から成り立っているというように、それぞれの「システム」は、さらにいくつもの「システム」が、互いに作用し合って成り立っています。
このように、「全体のシステム」は規模が大きく、いくつもの「システム(仕組み)」が互いに作用し合って成り立っているのです。
特に、「大きな会社」や「国家」等の「『規模が大きな全体』のシステム」は、非常に複雑で、非常に多くの「システム(仕組み)」が、互いに作用し合って成り立っているのです。
さて、このような「『規模が大きな全体』のシステム」を考えると、「全体のシステム」は、とても複雑に思えますが、「全体のシステム」の「本質」は、いたってシンプルです。
「全体のシステム」の「本質」は、「『全体の目的を実現させるために行なう必要がある全てのこと』を『効率良く』行なうこと」です。
ですから、「全体のシステム」をつくるときは、「『全体の目的を実現させるために行なう必要がある全てのこと』を『効率良く行なう』方法」を考え、それを「システム化(パターン化)」します。
例えば、「家族のシステム(『家族をまとめる』ためのシステム)」をつくるときは、「どうすれば『効率良く』『家族全員で協力して生きていくこと』ができるか」「どうすれば『家族において行なう必要がある全てのこと』を『効率良く』行なうことができるか」を考え、それを「システム化(パターン化)」します。
例えば、「掃除」に関しては、「第一週の日曜日に部屋を掃除し、第二週の日曜日にトイレと風呂場を掃除し、第三週の日曜日に廊下と玄関を掃除し、第四週の日曜日に台所を掃除する」、「年末に大掃除をする」と決め、「システム化(パターン化)」して行なえば、「前回はいつ掃除したか」「今日はどこを掃除しようか」「今日は掃除をしようか、それともやめようか」等を考える必要がなくなります。
そして、「今日は第一週の日曜日だから部屋を掃除する」「今日は第二週の日曜日だからトイレと風呂場を掃除する」というように、何も考えずに「機械的に行動する」だけで、常に、それぞれを一定の状態に保つことができます。
また、「人間関係」に関しては、「『おはよう』『おやすみ』『行ってきます』『ただいま』等の挨拶や、『ありがとう』『ごめんなさい』という一言は必ず言う」「定期的に『家族全員で食事をする』」と決め(システム化して)、「家族全員」が必ずそれを行なうようにすれば、仕事や勉強に追われて「コミュニケーション」をとる時間が減ったとしても、特別な努力をすることなく、「家族の人間関係」を一定の状態に保つことができます。
「人間関係」も、「こういうときは、こう言う」「そういうときは、そう言う」、「こういうときは、こうする」「そういうときは、そうする」と、一度「システム」をつくってしまえば、後は、それに従って「機械的に行動する」だけで、常に一定の状態に保つことができるのです。
このような発想で、「『家族』において行なう必要がある全てのこと」を「システム化(パターン化)」すれば、「システム化」しない場合よりも、はるかに「効率良く」全てのことを行なうことができるのです。
また、「会社のシステム(『会社をまとめる』ためのシステム)」をつくるときも、「どうすれば『効率良く』『利益を上げ、それを会社を構成する全ての人に分配すること』ができるか」「どうすれば『会社において行なう必要がある全てのこと』を『効率良く』行なうことができるか」を考え、それを「システム化(パターン化)」します。
例えば、「在庫管理」に関しては、「会社に保管できる数量(最大で何個保管できるか)」と「会社に最低限保管しておく必要がある数量」を正確に把握し、「残りの在庫が何個になったら、何個発注するか」を決めて(システム化して)「在庫管理」を行なえば、いちいち在庫の数量を数えたり、「何個発注するか」を考えたりする必要がなくなります。
何も考えなくても、在庫の数量が発注すべき数量まで減ったときに、「機械的に発注する」だけで、常に在庫をきらすことなく、一定量を確保しておくことができるのです。
また、「新入社員の育成」に関しては、「入社当日に、『会社で働くとはどういうことか』や『社員の義務と責任』等について教える」「入社後三ヶ月は、仕事で必要となる『知識』と『技術』を教える」「入社後三ヶ月から六ヶ月の間は、先輩のサポート等を通じて仕事に慣れさせる」「入社後六ヶ月からは、普通の社員と同じように業務を行なう」と決めて(システム化して)新入社員を育成すれば、毎回「何をどのように教えるか」等を考える必要がありませんし、「新入社員の育成」の「ノウハウ」も蓄積されるので、より上手に行なえるようになります。
ですから、「新入社員の育成」も「システム化」すれば、「機械的にそれを行なう」だけで、毎回、「新入社員」を一定の期間内に一定の状態に育てることができるのです。
「会社」においても、このような発想で、「会社において行なう必要がある全てのこと」を「システム化(パターン化)」すれば、「システム化」しない場合よりも、はるかに「効率良く」全てのことを行なうことができるのです。
さて、これらのことから、「『全体のシステム』とは、どのようなものか」が理解できると思います。
また、「全体が『システム』によって成り立っていること」も理解できると思います。
世の中の全ての「全体」には「目的」がありますが、「全体の目的」を実現させるためには、「全体を構成する全ての人」が、「『全体の目的を実現させるために必要となる一定の行動(行なうべきこと)』を行ない続ける」必要がありますが、それは、「『全体のシステム』に従って行動し続ける」必要があるということです。
また、基本的に、「全体の活動」は、全て「全体のシステム」に従って行なわれるので、「『全体の目的を実現させること』ができるかどうか」は、「全体のシステム」の「あり方」によって決まります。
ですから、これらのことから、「全体は『システム』によって成り立っている」と言えるのです。
世の中には、「家族」「友人の集まり」「学校」「会社」「国家」等、様々な「全体」があり、「全体」によっては、「システム」というほどのものはない場合もありますが、それらは全て「システム」によって成り立っているのです。
さて、ここまで、「全体は『共通の目的を持った人』の集まりである」「『全体を構成する全ての人』は『全体の目的を実現させる活動の一部分を担っている状態』で存在している」「全体は『まとめる側(まとめる立場)』と『まとめられる側(まとめられる立場)』に分かれている」「全体は『システム』によって成り立っている」ということについて説明しました。
これら四つが、「全体の構造」の「基礎」を成す部分なのです。
分かりやすく言うと、「全体の構造」の「基礎」は、「目的」「複数の人」「システム」です。
そして、「複数の人(全体を構成する全ての人)」は、「『全体の目的を実現させる活動』の『一部分』を担っている状態」で存在し、また、「まとめる側(まとめる立場)」と「まとめられる側(まとめられる立場)」に分かれているのです。
世の中には、様々な「全体の構造」がありますが、全ての「全体の構造」は、この「基礎」の上に成り立っているのです。
続きを読む ⇒ 「全体を構成する全ての人」を 「まとめる」必要性について