大和思想 一章 「大和思想」の世界観
「大和思想」の世界観は、次のようなものです。
1、人間は、「宇宙の生成、発展のメカニズム」の中に存在している
宇宙は、ビッグバンから始まったとされています。
宇宙は、ビッグバン(大爆発)と同時に、らせん状に回転しながら全方向に広がっていきました。
時間がたつにつれ、恒星ができ、その周りに惑星ができ、さらに、その周りに衛星もできました。
恒星はエネルギーを放射し、惑星は自転しながら恒星の周りを公転しています。
地球は、このような惑星の一つですが、当初は、水も空気もない、ただの岩の塊でした。
ですが、時間がたつにつれ、雨が降り、海ができ、地球の誕生から6億年たったころ、最初の生命が誕生しました。
そして、その生命は、長い年月を経て様々な生物に進化し、40億年たったころ、人類が誕生しました。
このことから分かるように、私達人類は、「『宇宙の生成、発展の歴史』の延長線上」に存在しているのです。
また、宇宙は現在も生成、発展しているので、私達人類は、「宇宙の生成、発展の過程」に存在していると言えるのです。
さて、「宇宙の生成、発展の過程」に存在している私達人間は、言語をつくり、科学、学問を発展させ、様々な工業製品をつくり、様々な社会活動を行なっていますが、これらも全て、「宇宙の生成、発展の過程」の出来事だと言えます。
また、このことから、「人間が行なっている全ての活動(特に、人類が存続するために必要な活動)は、『宇宙の生成、発展のメカニズム』に則っている」と言えます。
「宇宙の生成、発展のメカニズム」がどのようなものであるのか、具体的には、誰にも分かりません。
ですが、「宇宙の生成、発展の過程」に存在している人間が、様々な法則、理論に則って活動し、それが正しければうまくいき、間違っていればうまくいかないのですから、「人間の全ての活動(特に、人類が存続するために必要な活動)は、『宇宙の生成、発展のメカニズム』に則って行なわれている」と言えるのです。
私達人間は、「宇宙の生成、発展の過程」に存在しています。
そして、人間の全ての活動(特に、人類が存続するために必要な活動)は、「宇宙の生成、発展のメカニズム」に則って行なわれているのです。
ですから、「大和思想」では、「人間は、『宇宙の生成、発展のメカニズム』の中に存在している」と考えるのです。
2、人間は「自然界」の中に存在している
地球に最初の生命が誕生してから、長い年月を経て、地球上に様々な生物が誕生しました。
そして、「植物」「昆虫」「魚類」「両生類」「爬虫類」「鳥類」「哺乳類」等が誕生した後、それら様々な生物によって成り立っている「自然界」に、人類が誕生しました。
現在の多くの人の目には、人間が「自然界」を支配しているように見えるかも知れません。
ですが、人間が「自然」をつくり、その中で様々な生物が活動するようになったのではなく、あくまで、様々な生物が誕生した後に、人類が誕生したのです。
宇宙の誕生、地球の誕生、「自然界」の誕生の後に、「自然界」の中に人類が誕生したのです。
また、人間は、その「自然界」から様々な「恩恵」を受けることによって、生きることができています。
人間は、「植物」が酸素をつくり出すおかげで、生きることができています。
また、「植物」と「動物」を食料にすることによって、生きることができています。
また、その「植物」と「動物」は、「微生物」の働きのおかげで生きることができています。
また、人間の腸内には、100兆個から1000兆個の「腸内細菌」がいると言われていますが、彼らの働きのおかげで、食べたものを分解し、吸収することができています。
人間は、この他にも、「自然界」から様々な恩恵を受けることによって、生きることができているのです。
このように、人間は、宇宙の誕生、地球の誕生、「自然界」の誕生の後に、「自然界」の中に誕生した存在であり、また、その「自然界」から様々な「恩恵」を受けることによって、生きることができているのです。つまり、人間は、「自然界」に依存して生きているのです。
ですから、「大和思想」では、「人間は『自然界』の中に存在している」と考えるのです。
3、全ての人は、様々な「全体」の一部分として存在している
全ての人は、普段の生活の中で、「家族」「地域社会」「友人の集まり」「会社」「ボランティア団体」「サークル」「国家」等、様々な「全体(集団、組織)」と関わっています。
ここで言う「『全体(集団、組織)』と関わっている」とは、「『全体(集団、組織)』に所属している」ということですが、「人が『全体(集団、組織)』に所属している」ということは、「単に所属している」ということではなく、「『その全体(集団、組織)の活動を行なっている状態』で所属している」ということです。
つまり、「『その全体(集団、組織)の活動の一部分を担っている状態』で所属している」ということです。
ですから、全ての人は、「家族」「地域社会」「友人の集まり」「会社」「ボランティア団体」「サークル」「国家」等、様々な「全体」と関わっていますが、それぞれの「全体」において、「『その全体の活動の一部分を担っている状態』で存在している」という意味で、「『その全体の一部分』として存在している」と言えます。
「家族」においては、「『その家族の活動の一部分を担っている状態』で存在している」という意味で、「その家族の一部分」として存在しています。
「地域社会」においては、「『その地域社会の活動の一部分を担っている状態』で存在している」という意味で、「その地域社会の一部分」として存在しています。
「友人の集まり」においては、「『その友人の集まりの活動の一部分を担っている状態』で存在している」という意味で、「その友人の集まりの一部分」として存在しています。
「会社」においては、「『その会社の活動の一部分を担っている状態』で存在している」という意味で、「その会社の一部分」として存在しています。
「ボランティア団体」においては、「『そのボランティア団体の活動の一部分を担っている状態』で存在している」という意味で、「そのボランティア団体の一部分」として存在しています。
「サークル」においては、「『そのサークルの活動の一部分を担っている状態』で存在している」という意味で、「そのサークルの一部分」として存在しています。
「国家」においては、「『その国家の活動の一部分を担っている状態』で存在している」という意味で、「その国家の一部分」として存在しています。
このように、全ての人は、普段の生活の中で様々な「全体」と関わっていますが、それぞれの「全体」において、「その全体の一部分」として存在しているのです。
全ての人は、それぞれが、自分の考えを持った「独立した個人」です。
ですが、「全体」においては「独立した個人」であると同時に、「その全体の一部分」として存在しているのです。
たとえ、「全体」の活動に関わっていないとしても、「『その全体の活動の一部分を担っている状態』で所属している」のが、「全体を構成する人」の本来の姿、あるべき姿なのです。
ですから、「大和思想」では、「全ての人は、様々な『全体』の一部分として存在している」と考えるのです。
4、人間は、「『過去から未来へつながる情報ネットワーク』の一部分」として存在している
全ての人は、その人が存在するということは、両親が存在するということですし、両親にもその両親が存在するということですし、さらに、その両親が存在するということですが、これをひたすら遡ると、人類の誕生、さらには生命の誕生にまで遡ります。
これは逆に言うと、私達の祖先は、生命の誕生から40億年もの間、ひたすら遺伝情報を伝えてきたということであり、私達は、その遺伝情報を引き継いでいるということです。
子供ができ、孫ができ、さらにその子供ができるというように、子孫がずっと続いていくなら、その遺伝情報は、未来へもずっと伝えられることになります。
このことから、「全ての人は、『過去から未来へ伝えられる遺伝情報の流れの一部分』に存在している」と言うことができます。
また、知識、技術等の情報は、過去から未来へだけでなく、友人間、同僚間、男女間、世代間等で、双方向的に伝えられます。
また、それらの情報は、地域や国境を越え、世界規模で伝えられます。
このように考えると、全ての情報は、時間的には過去から未来へ、空間的には、個人を介して四方八方へ双方向的に伝えられていることが分かります。
ですから、このことから、「全ての人は、『過去から未来へ、そして、個人を介して四方八方につながる情報ネットワークの一部分』として存在している」と言うことができます。
このように、全ての人は、「『過去から未来へ伝えられる遺伝情報』の流れの一部分」に存在し、同時に、「『過去から未来へ、そして、個人を介して四方八方につながる情報ネットワーク』の一部分」として存在しているのです。
ですから、「大和思想」では、「人間は、『過去から未来へつながる情報ネットワークの一部分』として存在している」と考えるのです。
さて、このように「大和思想」では、
1、人間は、「宇宙の生成、発展のメカニズム」の中に存在している
2、人間は「自然界」の中に存在している
3、全ての人は、様々な「全体」の一部分として存在している
4、人間は、「『過去から未来へつながる情報ネットワーク』の一部分」として存在している
と考えるのです。
これが、「大和思想」の世界観なのです。
そして、このような世界にあって、「共存共栄の世の中」を維持して生きるのが、「大和思想」の「生き方」なのです。
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