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「自分と他人を比較し、その優劣にこだわる考え(優れている方、勝っている方に価値があるという価値観)」について

大和思想 一章  「自分と他人を比較し、その優劣にこだわる考え(優れている方、勝っている方に価値があるという価値観)」について


 世の中には、「自分と他人を比較し、その『優劣』にこだわる考え(『優れている方』『勝っている方』に価値があるという価値観)」を持っている人がいます。


 確かに「『優れている方』『勝っている方』に価値がある」という考えは、ある意味では正しいです。

 ですが、人間は、そのような「考え(価値観)」を持って生きていると、最終的には「不幸」になってしまいます。



「比較」は、それを行なうと、それぞれの「違い」が分かるので、「現状」を「理想の状態」に変えたり、何らかの「目的」を実現させたりする上で有効です。


 例えば、スポーツ選手が「理想のフォーム」を身に付けるときに、「理想のフォーム」と「現状のフォーム」を「比較」すれば、「理想的でない部分」を知ることができるので、「理想的でない部分」を「理想の状態」に変えることができます。


 また、「会社」において、「『利益を出すことができる』経営の仕方」を知りたいときに、「『利益が出ている会社』の経営の仕方」と「『利益が出ていない会社』の経営の仕方」を「比較」すれば、「『利益を出すことができる』経営の仕方」を知ることができます。


 また、Aという「生き方」と、Bという「生き方」のうち、どちらかを選ばなければならないときに、「Aを選んだときに『得られるもの』と『得られなくなるもの』」と「Bを選んだときに『得られるもの』と『得られなくなるもの』」を「比較」すれば、どちらが、より自分に合った「生き方」かを知ることができます。


 このように、「比較」は、「現状」を「理想の状態」に変えたり、「目的」を実現させたりする上で有効な「手段」なのですが、世の中には、「比較すること」をこのようなものとして捉えず、「自分と他人を比較し、その『優劣』や『勝ち負け』にこだわる人」がいます。

 また、こだわっているつもりはなくても、「意識し過ぎている人」がいます。


 このような人は、「自分と他人を比較し、その『優劣』にこだわる考え(思想)」を持っているわけですが、これは、「『優れている方』『勝っている方』に価値があるという価値観」を持っているということでもあります。

 ですが、人間は、このような「考え(価値観)」を持って生きていると、最終的には「不幸」になってしまいます。



 人間は、どれだけ頑張っても、世の中の全ての人に勝ち続けることなどできませんし、「能力」「体力」「容姿」等は年齢とともに衰えるので、「相手より優れているところ」「相手に勝っているところ」に「自分の価値」を見い出している人は、年齢と共に、自分に「価値」を見い出すことができなくなります。

 ですから、「自分と他人を比較し、その『優劣』にこだわる考え(『優れている方』『勝っている方』に価値があるという価値観)」を持っている人は、一時的には「幸福」を感じることができたとしても、年齢と共に「幸福」を感じられなくなってしまいます。


 また、そのような「考え(価値観)」を持っていると、「自分は『集団』の中で、どの位置にいるのか」「何番目なのか」が、必要以上に気になってしまいます。

 また、「自分より優れている人」や「成功している人」を必要以上にうらやましく思い、「嫉妬心」や「劣等感」を強く持ってしまいます。

 ですから、そのような「考え(価値観)」を持っていると、「精神の安定」や「心の安らぎ」が得られず、精神的に苦しくなってしまいます。


 また、そのような「考え(価値観)」を持っている人は、常に相手に勝とうとし、自分を良く見せようとし、自分が下であることに神経質になり、自分より下だと思う相手に対しては「見下した態度」になり、自分より上だと思う相手に対しては「卑屈」になってしまいます。

 ですから、そのような「考え(価値観)」を持っていると、「いい人間関係」を築くことや、本当の意味での「仲間意識」「共同体意識」を持つことができず、精神的に「孤独」になってしまいます。


 また、そのような「考え(価値観)」を持っていると、「相手の意見を受け入れること」が、「相手に負けること」のように思えてしまうので、頑固になり、「人の意見を受け入れること」ができなくなります。

 ですから、そのような「考え(価値観)」を持っていると、成長することができなくなってしまいます。


 このように、「自分と他人を比較し、その『優劣』にこだわる考え(『優れている方』『勝っている方』に価値があるという価値観)」を持っていると、年齢と共に、自分に「価値」を見い出すことができなくなり、「精神の安定」や「心の安らぎ」が得られなくなり、精神的に苦しくなり、精神的に「孤独」になり、成長することができなくなるのです。

 ですから、人間は、そのような「考え(価値観)」を持って生きていると、最終的には「不幸」になるのです。



 さて、人間は、「自分と他人を比較し、その『優劣』にこだわる考え(『優れている方』『勝っている方』に価値があるという価値観)」を持って生きていると、最終的に「不幸」になるのですが、世の中には、そのような「考え(価値観)」を持っている人が、たくさんいるように思えます。


 そのような「考え(価値観)」を持っている人は、常に「成績」「学歴」「経歴」「能力」「容姿」「立場」「収入」「知名度」「家」「車」、その他あらゆるものを「比較」し、その「優劣」を気にしています。

そして、常に相手に勝とうとしています。


 ですが、そういう人は、「自分は、何のために相手に勝とうとしているのか」を考えたことがあるのでしょうか?


「たとえ相手に勝ったとしても、『幸福』になれなければ意味がない」ということを考えたことがあるのでしょうか?


 人間は「幸福」を求めているのですから、「相手に勝つこと」にこだわるのではなく、「幸福になること」にこだわるべきだと言えます。

 そして、実際に「幸福になれる思想」を持って生き、「幸福な人生」を手に入れるべきだと言えます。


 人間が「幸福」になるためには、このことをしっかり理解する必要があります。

「幸福」になるためには、「優劣」や「勝ち負け」にこだわるのではなく、「幸福になること」にこだわる必要があることを、そして、実際に「幸福になれる思想」を持って生きる必要があることをしっかり理解する必要があるのです。


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